父の職業が中学校教師でした。
地方公務員である北海道の中学校教師には、転勤が付き物です。
そして、北海道の中学校教師の転勤先は、おもにその所属支庁内の全域となります。
私の父は網走支庁の所属でしたので、網走支庁管内を転々としました。

現在は必ずしも当てはまらないかもしれませんが、北海道の教職員の住環境には、ある特徴が見られます。
私個人の経験に基づきますが、学校の近所には教員住宅が用意されており、転勤先では必ず、教員住宅に入居出来ました。

教員住宅のほとんどは、2戸続きの平屋でした。
部屋の構成は2Kから3DK。
多分、規格があったのだと思います。

台所の床下には「ムロ」と呼ばれる床下収納がありました。
これは、人が立って歩けるほどの深さを持つ、北海道古来の収納庫です。
「ムロ」は地下にあるため、地熱によって冬でも氷点下とならず、野菜や飲料水を凍らせる事無く収納出来ました。

実はアイヌの伝統的家屋、「チセ」においても地熱が利用されています。
かつてアイヌの人々に対して、開拓者である和人が近代的な家屋を進呈した事があったそうです。
しかしアイヌの人々は、一見快適そうな近代住宅を好まず、頑にチセに住み続けたと言います。
実は、チセは見かけによらず、冬あたたかい物だったそうですが、その理由の一つに地熱の利用があったと言う事です。

チセから受け継ぐ地熱利用の「ムロ」ですが、マンション住まいの私の家にはもちろんありません。
小さい頃、ハシゴで「ムロ」に降りてサイダーを取ってくるのが怖かった私ですが、今となっては「ムロ」の良さを再認識しています。

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