私が暮らすこの地方都市は、例年なら1年に10日前後は、道路が完全に圧雪状態となり、車のタイヤの交換を余儀なくされる北国と、一応言える都市だ。

  • 北国の掟、その1
    冬にスタッドレスタイヤを装着しない者、運転する事なかれ。

鉄の掟により今シーズン購入した、我が家の車のスタッドレスタイヤも、雪が降らず減るばかり。
ABSだって全然作動してない、もったいない話だ!(いや、幸せなんですが・・)
こうなると意地でも雪道を走りたくなるのが私だが、以前のように峠に繰り出したりは、まだしていない。
(前は初雪を見ると、自慢の車で峠に繰り出し、アクセルをフガフガ踏んでいたモノだ)

しかし先週末ついに、まとまった雪が降った。
これで我が家の車、プレくん(プレオ)も喜ぶだろうと思った、そんな朝の事だ。
その日の路面状況は、日が当たるところは別として、日陰は悲惨な物だったのだ。
前日の夕方までにシャーベット状に溶けた雪が、夜間になり凍結し、いわゆるブラックアイスとなり、その(スリッピーさにおいて)美味しそうな路面に翌朝、さらに粉雪のトッピングが降りかかっており、もうベストオブ・スリッピーコンディション!

  • 北国の掟、その2
    雪降ったら自転車乗るな!みんな夏タイヤだろ?!

いつものように徒歩で40分程の通勤の朝。
信じられないことに、道に自転車があふれています!

乗るなって言ってるんだよ!俺が!
みんな荒くれ者だ、自殺行為だ!
俺の心の叫びが聞こえないのか~!?
もし米兵が見ていたら、「オー!スーサイド・ライダース!」と言われるに違いない。
なおも荒くれ者達は、歩道を歩く私をビュンビュン追い越して行く。
「さけびーたいーさけびーつづけーたいー」
脳内でアラートを発信し続ける自分。
発信し続ければ、いつか人々の脳内まで届くことだろう、それだけを信じて生きていこう。

「むむ?ここは危ない。ベストオブ危ないポイント!」
凍結し、粉雪トッピングの下り坂。
いかな荒くれ者でも、恐れをなして徐行を開始し、尿漏れを引き起こしながら、ひらりとサドルから飛び降りる、そんな下り坂だ。(いや、5度前後だったと思いますよ、傾斜は)
「しかもここで、僕なんか車がとぎれたのを見計らって、反対側に渡っちゃうんだよなー」
思い返すと、危険な状況に輪をかける自分がそこに・・。

「ウワー!」
10メートル後方から近づく叫声。
ドップラー効果で、ほぼ同時くらいに本体も飛んでくる。
立ち止まった自分を避け、自転車を倒し横に投げ出し、私には本体を差し向ける見上げた根性。
「うむ、いいラリードライバーになれるぜ、ただし浮谷東次郎のように、自分が死んじゃうかもしれないがな・・」

スローモーションのようでしたよ、本当に。
まぁ、あまりスピードは出ていなかったのかも知れませんが。
ほぼ円筒形の体型のその女性は、ふわりと雪の中を舞い、ヘッドスライディング状態で着地しました。
ダメージが心配でしたが、自然の衝撃緩衝剤(ボディですな)がうまく動作したようで、すぐに立ち上がりました。
「あ!すいませんねぇ」
あまり悪かったと思っていない自分。
自転車を立て直して、一応「大丈夫ですか?」と、声をかける。
無言のミス・ポーキー(仮名)

無言のまま自転車に乗り、走り去るミス・ポーキー。

今日の朝も私は、彼女を見かけましたよ。
スラロームのように、軽やかに歩行者の間を駆け抜けていましたよ。

やっぱ危ないよ、あんたの運転!